2019年6月18日 早速登録してくださった皆さん、ありがとうございます。 追いつめられないと行動しない性格ですので、自分にプレッシャーをかけながらがんばりたいと思います。応援よろしくお願いします。まだまだお友達紹介キャンペーン中ですので、このブログを他の先生方にもご紹介していただければと思います! 6月のブログは学生へのアンケート、Final Assessments、最近読んだ色々なリサーチを通して、自分なりの新しいTeaching Approachのイメージ作りを作っていきたいと思っています。7月は、実際のカリキュラム内容、参考資料などをシェアし、8月にカリキュラム第一弾をご紹介できればと思っています。まぁ、そんなにうまくいくかどうかですが ... 前回のブログでは私が教師として行き詰まっている状況をお話ししました。今回は、学生のことをもっと知りたいと行ったアンケートの結果をもとに、新カリキュラム作成への糸口を探してみたいと思います。10年ほど前から定期的にアンケートを学生に行っており、授業で感じたこと、クラス運営、カリキュラム内容などを聞いています。3年に一度のような間隔で、今回で3回目でした。 1回目のアンケートでは、Project learningに移行したことへの感想を中心に、2回目のアンケートの前に、クラス運営をグループ主体で始めたので、それに関する質問を2回目のアンケートで、今回は、教師として思っている疑問を学生に聞いてみました。目的は、主に三つで、
自分のTeaching Approachの参考にしたいと思い実施しました。Final Exam weekの時間に、Google Form / Chromebookを使い匿名で行いました。結果は三つのレベルにまとめ分析をしました(一年目グループ・2年目グループ・3年4年目グループ)。回答率は94%で当日クラスに出席した学生全員から回答を受け取りました。実際のアンケートはこちらをご覧ください(注: 回答はしないでください!)。PDF版は、こちらです。アンケートの最終結果の詳細はこのブログで公開する予定はないのですが、要点をまとめて、皆さんからもご意見をいただければと思います。広告業時代は主にマーケティングを担当していたので、データ分析やアンケート結果から問いを考えるのは好きなんです。 今回のアンケートで大きく2点気づいたことがあるので、その部分を今回のブログで紹介したいと思います。 アンケート全体を通して見えてきたことの一つにまず学生の持つ教師へのイメージ・期待度があります。Project Based Learning (PBL)の理論の中に、教師は”teacher”ではなく “facilitator”であるべきだという点があるのですが、実際にはもっと身近な“leader”像を学生から求められていると感じました。年々世代を超えてコミュニケーションを図る機会が少なくなっています。また家庭内でも両親が長時間の共働き、兄弟・友人関係もスマホの普及などによりさらに高い壁で塞がれているような気もします。このような時代で、身近にいる大人と言えば、教師しかいないわけです。皆さんもお気づきでしょうが、教師は授業内容を単に教え、成績を出すわけではなく、個々のTeaching styles / 毎日のclass activitiesや教室でのアプローチが学生の自己成長にも影響していることをもっと念頭に置いてカリキュラム・レッスンプラン作りを考えていかないといけないなぁと感じました。教室内での学生への話し方、アクティビティの内容、進め方、トラブルが起こった際の対処の仕方など、学生は教師の行動ややりとりを通して、自分自身のことをもっと知り、本人もコミュニケーション力を高めていきたいと願望する傾向があるように思います。もちろん前の時代にも同じような傾向はあったと思います。ですが身近な大人像の選択が非常に限られている今世代の学生達の中では、”先生の背中を見て育っていく”学生も多く、クラスの中ではそう学生に見られているとアンケートの回答から見えてきました。 では、教師はクラスのリーダーとして何をしていけばいいのか。日本語習得のためだけではなく、学生が成長していく上で、どのようなクラス作り・カリキュラム・アクティビティを導入すればもっと効果的にいくのでしょうか。 手前味噌な話になりますが、広告業での体験からお話しすると、マーケティングを担当する広告会社は、市場調査を行い、消費者が好むカタチで商品を紹介します。あくまでも広告業は黒子的な役割であり、商品ががっちりと消費者の心をつかまえれば、あとは商品と消費者の関係次第です。広告は商品と消費者との橋渡しの役目を行います。 では、リーダーとしての教師はどうでしょうか。 教師は学生にとって最も有意義なゴールを定義し、そこへたどり着けるような土台作りをしなければいけないと思います。ここで大事なのは土台作りであって橋渡しではないことです。橋渡しだと教師がそこまで連れていかなくちゃいけない。橋渡しアプローチだと学生が皆同じような経験をしながら同じところにたどり着く可能性もあります (この点に関しては、後ほど詳しく)。 私は、パラグライダーを飛ばすようなアプローチで、クラス作りを考えていきたいと思います。離陸するまでは、人(教師やクラスメート)の協力が必要で、私たちがぐっと引っ張って、その後手を離せば、学生が一人で飛んでいけるような経験ができるクラス内容・アクティビティが理想的ではないかと考えます。 学生が一人で飛べるための土台作りを毎日のクラスの中で行い、ゴールに到着するのは学生のアイデア・努力次第であり、上昇気流に乗れば、自分でアプローチを考えてもっと高く飛んでいけるのではないでしょうか。そうすればゴールに到達した達成感は学生自分のものであり、一人一人自分で学び、経験から得た自信だけでなくその経験から新しいことへとチャレンジできるのではないかと思います。 ここまではかなり理想的なお話をしましたが、では現実はどうでしょうか? アンケートの結果によると、私の学生の約25%が平均GPAがC-以下で、アカデミックな成功を経験したことが少ない学生です。色々な理由が考えられると思いますが、このような学生も含め、学生全体のmindsetをクラス活動を通してあげていく必要があります。皆さんも Fixed MindsetとGrowth Mindsetという言葉を聞いたことがあると思います。この25%の学生に「絶対できるよ、頑張って」と言って、彼らのGrowth Mindsetを育てようとしても成功例の少ない学生にはピンと来ない話だと思います。 教育コンサルティングをしているJohn Spencerさんのブログによると、Growth Mindset育成にはもっと具体的に学生たちが自分のスキルや知識を客観的に判断できる機会が必要です。「ほら、これ出来るじゃない。」と具体例を見せて、「じゃ次はこれも出来るかも」と応援するアプローチですね。そうなると教師が日頃から学生の+-を確認し、それを学生と話し合える時間が必要になってきます。 私は去年まで、「間違ってもいいよ」的なアプローチでクラス運営をしてきました。間違えることを恐れる学生が多いからです。でも学生の多くは何がどう間違っているのか自己判断も難しかったのではないかと思います。特に2年目・3年目の学生は文法のレベルも上がって、単語も抽象的なものが多くなり、言語学習への不安感も大きくなります。レベルが高くなると失敗から学ぼうと言っても、どこが失敗なのかわからないし、学習意欲も低下していきます。アプローチをちょっと変えて、成功からもっと学べるようにし、自信をつけることによって、いわゆる「勝ち癖」を経験してもらいたいと思います。スポーツと同じで、勝ち癖の感覚がもっと身につけば、次は何が出来るかを自分でもっと考えられるようになるのではないかと思います。 アンケートを通して、もう一点気づいたことは、学生は外国語学習に関しかなりの不安材料を抱えているということです。他のクラスでは色々自由にプロジェクトや発表ができたことをポジティブな経験ととらえているのに、日本語のクラスでは、正反対なアクティビティを望んでいるんです。 80%近くの学生が日本語のクラスでは、自由に内容を考えて発表するのではなく、手とり足とり丁寧に説明されたプロジェクトを好むという結果が出ました。これは、日本語でモノを理解したり考えたり、グループで日本語で話したり、日本語で何かを作成するのに自信の低さを表しているのではないかと思います。アンケートの回答では、特に2年目と3年目のクラスは、日本語のクラスが他のクラスに比べてもっと頭を使わなくちゃいけないとありました。また日頃のクラス運営のスピードが速すぎるという声もたくさんありました。私のクラスってそんなに大変なんですかね〜。「楽しいけど大変」「もうちょっとラクしたい」というコメントがあり、興味はあるけど付いていくのが大変。そうなると先ほど紹介した25%の学生は頭が真っ白な状態でクラスにいるでしょうね。他人事ではないですが、かわいそうですよね。 でも先ほど紹介したJohn Spencerさんも言っていましたが、手とり足とり丁寧に決められたプロジェクトなんて、考えなくてラクかもしれませんが、そんなプロジェクトなんて心にも残りませんよね。 こう見ていくと色んな面からアプローチを変えて学生をサポートしていく必要性が見えてきました。アプローチの仕方・見本を見せながら (scaffolding)、不安を自信に変えられるフィードバックの仕方、個人がもっと自由に考えられるような雰囲気作り・プロジェクト内容でしょうか。
サンフランシスコ学区では、卒業単位として同じ外国語を最低2年取得する必要があります。日本語を習い始めてから2年後の自分のイメージを持たせ、1年目の初めから、学生とクラスのゴールをシェアし、常に学生一人一人がゴール達成までにどこをどう伸ばせばいいのか、自分で判断し、自分の学習ルートをゴールに照らし合わせられる機会をクラスで提供していかなくちゃいけないと思います。 次回のブログでは、アンケートの回答を箇条書きにし、私の新しいTeaching Approachの具体例をシェアできればと思います。アンケートの感想ですが、クラス内では毎日初歩レベルの日本語で学生とやりとりしているのでなかなか本音が聞けません。アンケート内の英語でのコメントはかなり的を得ているものも多く色々と反省させられました。正直な意見を聞くのは少々勇気がいるかもしれませんが誠実な意見が聞けたと思うので、満足していますし、丁寧にコメントをくれた学生にも感謝します。彼らの声が新しいカリキュラムに反映されるようがんばりたいと思います。 皆さんも一度されたらいかがですか?
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Tomokazu "Tetsu" MorikawaKonnichiwa! I've been teaching over 25 years at public high schools in San Francisco, CA. 次回ブログの予告
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