2019年6月28日 今、両親の介護のために神戸にいます。Wi-Fiがない家なので、携帯電話でメールチェックはできても、それ以外のことはあまり出来ず、新聞、本などを読みまくり、自分の考えやアイデアをメモに書き込んでまとめる時間に使っています。(私の性格) 前回のブログで、アンケートを通して見えてきた大きな2点についてお話ししました。今回は、その2点をクリアするための自分流の教え方を今一度考えてみたいと思います。まずその大きな2点とは:
父は昭和一桁の仕事だけの人で、短気。母は何でもこなすアイデアウーマンで観察力大。 先ほども書きましたが、今神戸で両親の介護をしています。80過ぎの二人には毎日の生活も結構大変なようで、心配ではありますが、これだけ一緒に何かをしたり、時間を過ごすこともあまりなかったので、意外にも毎日三食作り、買い物、洗濯、掃除、お風呂など家事の連続をゲームのように楽しんでいます。あらためて親に育ててもらったことに感謝し両親と一緒にいながら自分の性格は親譲りであることも再確認中です。
介護することは苦ではないのですが、母のアイデアが溢れた台所や部屋の隅々にあるアイデアモノは使いづらいんです。慣れるうちにアイデアの出どころも理解でき、納得しながら母の頭の良さにあらためて敬服するのですが、慣れるまでにことごとく言われる小言・注意に疲れます。「ほっといて」と言うのですが、観察力大の母は自分のアイデア通りに私が台所を使っていないのを見てイライラするようです。父の短気な性格は相変わらずです。 この二人の行動を見てハッとしたんです。これは自分の性格に似ていると。それも両方の性格が私の性格の原点だと。私自身も色々なアイデアを考えるのが好きで、クラスのカリキュラムに取り入れています。 私の高校には日本語教師は私だけで、日本語プログラム=私のプログラムという法則がずっと続いており違和感なくカリキュラムをどんどん自分好みに変えて誰にも確認せず毎年変更/採用してきました。自分でデザインしたカリキュラムを自分がいい(楽だ)と思うアクティビティを利用してユニットを進めていく、そんな感じです。でも当然ですが、客観的に意見を言ってくれる人や同僚が周りにいないことに今更気づきました。自分の両親の行動を見ながら、
学生の「今」をもっと知るために、近所の図書館で、本を借り、インターネットで色んな記事を読んでみました。寮美千子著の「あふれでたのはやさしさだった。奈良少年刑務所 絵本と詩の教室」や「親子で学ぶスタディスキル図鑑」、Edutopiaサイト、朝日新聞 GLOBEサイト、ハフィントンポストサイト、東洋経済サイト、現代ビジネスサイトなどを参考にしながら、学生からのアンケート結果をもとに教室での新しいアプローチを考えてみました。 安心できる/安全なクラス環境とは? 21st Century Skills 関連の記事を読むと必ず安心して学べるクラス環境作りが大事だと書いていますが、それってどんな教室なのでしょうか?椅子の並べ方?学生の作品いっぱいの壁の装飾?グループ?私も昔からGroup Learningを奨励するために四つの机を向かい合わせにし、グループでお互いが学び合えるようにしましたが、机をくっつけただけで学生が安心できるわけでもなく、教師やグループメイトの役割が大切になってきます。残念ながら「なぜこのスタイルが大事なのか」を学生ときちっと話し合ったこともなく、また学生がすでにスキルを持ってお互い助け合いながらアクティビティができるわけもなく、今までなんとなくグループで学んできたという状態だったと思います。そんな状態では、学生は安心して学べる場にいるとは言えませんね。アンケートによると、私のクラスの1/4の学生は、学力でポジティブな経験をしたことがなく色んな感情や困難を抱えた子供たちです。つまり最低でも各グループの一人が強いコンプレックスを持って Group Learningに参加しているということです。正直、今まではグループで「頑張れ!頑張れ!」と激励を送れば何とかなると思っていましたが、学生にはさまざまな適性があるはずで、一つのアプローチにとらわれない環境が必要だと感じます。時間をかければできる学生、励まされてできる学生、助けを求めるのが苦手な学生、無理強いする学生が苦手な学生、色んなカタチで学生を受けとめられる環境が学生一人一人に必要ではないかと。一人一人の信頼が得られれば安全な場としてクラスを受け入れてくれるのではと。 そう思えば、昔働いていた広告会社の環境が理想的なんだなぁと今よく考えています。「イケイケ」的なイメージのあるこの会社ですが、実は色んなタイプな人が集まっていて、それぞれの良いところをちゃんとお互い認め合える雰囲気があり、無理強い的な社風もなく、それぞれのパワーを仕事に活かせている。入社当初から桁外れな権限を持って仕事ができるのですが、失敗しても責任とれ!みたいなプレッシャーもなく心理的な安全性がちゃんとあったからこそ、アイデアも色々飛び交い仕事自体もおもしろかったことを思い出します。こういう信頼関係がクラスにも必要だなと。 私の学生全員が「学ぶ」経験をする前に、お互いが信頼できる環境作りが、教師としてまず私が提供しなければいけないこと。私の行動/言動を通してどれだけ子供達に感じ取ってもらえるか。じっと待つ時は待つ、励ませば伸びそうな子供は励ます。ちゃんと説明すれば理解できる子供にはちゃんと話す。学生のことをちゃんと知り、人の気持ちを汲み取りながらクラスを進めていくことで、学生も同じように人とのコミュニケーションにもっと柔軟性を持ってくれるのでは?Group Learningを続けていく上で、クラス全体が安心できる雰囲気がこれほどまで大事だと実感したことはないです。でもこういう気持ちを持って毎日教室へ通えれば、変化は起こるかもしれませんね。教室でのGroup Learningを通して、人とのコミュニケーションが取りやすくなり、困った時はちゃんと助けが求められるようになれたら、「ごく自然に話せる」ようになるかもしれないし、押しつけに助けるのではなく相手を思いやりながら助け合える「お互い様」感覚が増えるかもしれないし、「話してみたら案外楽しかった。」と思ってくれる学生がもっと増えるかもしれない。学生の自己肯定感を高めることにも繋がってくれると嬉しいです。 去年の一年生のクラスで、先生の性格を形容詞で表すアクティビティで、「先生はせっかち。」と言った学生がいました。大当たり。でも来年は自分も変わりたい教師像ができあがりました。がんばろうと思います。抜粋ですが、学生のアンケートのコメントを注釈付きで載せておきます。 Comments from the 2019 survey:
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